「チッ……ま、いっか」


 あやかは舌打ちをすると、笑ったようにも見えた顔で女の子の隣を過ぎていく。他二人もそれに続いて行った。
 なぜ彼女は笑っていたのだろうか。
 けど、すぐに一つの答えへと辿り着く。どちらにせよ画像が残っている時点で、私を逃しても後でどうにでもできるということかもしれない。


 まだ終わっていないのだ。


 私は恐怖と痛みで体を震わせる。
 更にもうじきここに警察がやってくる。もしかしたら、援助交際のことを聞かれるかもしれない。聞かれなかったにしても、この惨状だ。叔父に連絡が行く。結果的に最悪なのは変わりがない。


「安心して、本当は警察なんて呼んでないわ。ただのブラフ」


 足音の度に水音が聞こえ、私の前で女の子は立ち止まると手を差し伸べてくる。


 なに……この人、私の考えていることがわかるの? いや、そんなこと、あり得ない。