君のブレスが切れるまで

 私は確かにいじめられていた。何度だって暴力を受けていた、その事実を私は知っているのに。この警察の人は何を調べてこんなことを言っているの?
 調べたというのは学校側にということ? 


 いじめがあったなんて言えば学校側の汚点となる、ならば事実を隠蔽するかもしれない。
 いじめの被害者が度重なる暴力や嫌がらせに耐えきれず亡くなり、そのいじめを遺書として示したはずなのにも関わらず、いじめはなかったと隠蔽する学校だってあるのだ。


「学校側からはいじめなどはないと聞いていた。早乙女 彩夏さんは成績も良く、模範生だと言われている。だが、この写真から見えるのは相当な怒りだ、そんな子が君にここまでの怒りを見せている。君は彼女を怒りに狂わせ事故に見せかけるように、殺そうとしたんじゃないのか?」


 なに……それ……。
 確かに死んでしまえと思ったことがないわけじゃない。だけど、それよりも私が死にたいと思う毎日だった。それほどに辛い日々だったのに。


 警察は学校側の話ばかりを鵜呑みにし、私の言い分はまったく聞いてない。


 あやかが模範生? 嘘だ、あり得ない、そんなわけがない。表はそうかもしれない、だけどあの女の裏の顔は――
 その時、急に取り調べ室の扉が開き、一人の警察官が中へと入ってくる。