彼女の言葉に耳を疑う。さっき言ったことが聞かれていたのだろうか? だとすると……とてつもなく性格が悪いんだな、この人。私も人のことを言えないけど。


「変な趣味してるんだね……聞いてたんでしょ」
「貴女の目がそう訴え掛けてる」


 淡々とした声に、私は彼女の顔に目線を向ける。その顔は感情が抜け落ちたように無表情だ。
 何なのこの人、私の心を見透かしたように言って。ああ……一刻も早く、この場から離れたい。


「貴女、宮城(みやぎ)……さんでしょ? 話は聞いてるよ。何でも貴女に関わると不吉なことがおこるって」
「不吉なことって?」
「私が今、こうやって不幸な目に遭ってることとか」


 私は彼女のせいにした。自分を守る為に、自分の運の無さを彼女になすりつける。


「それは、ごめんなさい」