「怖かったでしょ!」
「怖いってより、気持ち悪くって…もう、最悪。思い出したくもない」
お昼から優雅にビールを飲む贅沢な時間に、あおるように飲みだした。
鳴海は、人より出てるとこ出てて、スタイルがいい分、その部分が強調される。
だからといって、服で隠したりしないで、堂々と着たい服を着ていた。
心ない人は、自業自得でしょって言うかもしれないけど、悪いのは痴漢をする奴らだ。
「まぁ、それをきっかけに修平くんと知り合ったんだけどさ…最初から軽いのよ」
「鳴海のタイプじゃないね」
「そう。そうなの。助けてくれて素敵って思ったのに、その場でナンパしてくるのよ。口も上手いし、なんだかんだで食事に行くことになって、色々と話してるうちに、意外と根は真面目な人だってわかったんだ。だけどさ、あの軽い口調のせいで、いまいち信用できない」
そう言いながら、藤城さんの口の上手さに、色々と私のことも話しちゃったのだろうと思った。
藤城さんが、なぜ晶斗に連絡してたのかはわからないけど、そのおかげで晶斗との今があるので感謝してる。
「でも、好きなんでしょ?」
「まぁ、ね…」
「お付き合いして、何か変わった?」
「…めちゃくちゃ、愛されてます」