「君達…いや、君は今から恋愛をしてもらうためにここに運んできたんだよね」

「恋愛……………?」

「そ、恋愛。恋愛という名のゲームをね。そのゲームの名前は恋狼(レンロウ)。君が好きそうなゲームじゃないか。簡単に言うと恋愛と人狼。まぁ、詳しいことは後で説明するとして、ここまで分からないことは?」

適度に配慮してくれる辺りは優しさというのを感じる。果たして優しいのか優しくないのか。

「僕以外の参加者は?」

「この学校内のどこかにいる。男女10人ずつ、20人がね。時間になったらご対面さ。あ、逃げようとしても無駄だよ。開始まで鍵は閉めてるんだよね」

くく…………………っ楽しそうじゃないか。
夜中にこんな所に連れてきて誘拐かと思ったが、誘拐じゃないか。

「ああ!!受けて立とうじゃねぇか!!人狼男!!!!」

「…僕は管理人(ゲームマスター)なのに。まぁ、やる気のある人、嫌いじゃないよ。時間になるまでもう少し待っててね。かわい子ちゃん」

ぶつり。

恋愛と人狼。こんなぶっ飛んだゲームを自分はよくすんなり受け入れたな、と思いつつ、今は高ぶる感情と鼓動を抑えつけるのに必死だった。

「はぁ…はぁ…………」

楽しさなのか恐怖なのか不安なのかよく分からない感情を抱えたまま、扉にもたれて座る。

疲れたのか、僕は寝てしまった。次は何処で目が覚めるのだろうか。