「えっ? いやっ!
あのっそのっ!」
いきなり出てきた皇の苗字に慌てふためく。
初めて聞かれた。
沙妃にだって誰にだって、
皇が好きなの?
なんて聞かれたこと無いのに。
「好きなんだ?」
「あ……う…」
否定することも肯定することも出来ず、
ただ下を向く。
「一ノ瀬ねぇ……意外だな」
「え?」
「確かにアイツ、女のコに人気あるけど。
どっちかっていうと、もっと元気なコが一ノ瀬のこと好きになると思ってたからさ。
姫架ちゃんみたいな大人しいコが、
一ノ瀬を好きっていうなんて意外だなって思って」
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