幼なじみ


「えっ? いやっ!

あのっそのっ!」




いきなり出てきた皇の苗字に慌てふためく。



初めて聞かれた。



沙妃にだって誰にだって、

皇が好きなの?

なんて聞かれたこと無いのに。




「好きなんだ?」



「あ……う…」




否定することも肯定することも出来ず、

ただ下を向く。




「一ノ瀬ねぇ……意外だな」



「え?」



「確かにアイツ、女のコに人気あるけど。

どっちかっていうと、もっと元気なコが一ノ瀬のこと好きになると思ってたからさ。

姫架ちゃんみたいな大人しいコが、

一ノ瀬を好きっていうなんて意外だなって思って」