また歩く足音が廊下に響く。 だけど今度は私と皇、二人分の足音。 「お、皇?」 斜め左下から見える皇はなんだか怒ってる気がして、 声を掛けてみるけど反応が無い。 ??? どうしたんだろ? 言葉で返してくれないものの、 皇の左手には力が入っていて、 私の右腕はキリキリと痛む。 「あのっ皇?」 「………」 「皇っ! 皇ってばっ!!」 半ば叫ぶような形で皇の名前を呼ぶ。 「え?」 やっと皇は気づいたらしくて、 私の方に振り向いてくれる。