ドアを開けると同時に女のコが 「おはよ!」 と声をかけてくる。 「おはよー」 真っ黒で綺麗な肩までの髪の毛に、 人懐っこい笑顔を私に向けているこのコは、 私の幼なじみの1人、沙妃(サキ)。 「もー皇ってばまだ来ないんだよ!?」 「お寝坊さんだもんね」 皇(オウ)っていうのはもう1人の幼なじみ。 「もー姫は優しすぎだよッ!」 「え~?」 優しい? 私が? 優しいのはそんなこと言ってくれる沙妃だよ。