「...急に大きな声出してごめん。...そろそろ戻らないと...ホントにごめんね。それじゃあ」

そう言って彼女は立ち上がり、こちらに手を振りながら笑顔で、でも少し苦しそうな顔で、歩いて行ってしまった。
あの子が言ったことが間違ってるわけではなくて、でも私もおそらく間違ったことはしていなくて。
私は彼女を引き止めることも、別れの言葉を告げることもできずに、ただその後ろ姿をじっと見つめることしかできなかった。