それを知ってか知らずか、目の前にいるコイツは、太くもなく細くもない長めの木の棒を振り上げ、私めがけて振り下ろそうとしている。

「なにボーッとしてんだ...??働け!!!」

頭部に一発。
痛い。でも慣れてるはず。

「個性持ってるからって、調子乗ってんじゃねぇぞ!!」

二発目。
一発で終わるわけがないのはわかっていた。でも身体が動かない。震えている。この震えは何?恐怖心?悲しみ?わからない。

「毎回毎回同じこと言わせやがって!!殺されてぇのか...!?」

三発目。
痛い痛い。やめて。あれ、慣れてるはずなのに...涙?

「...なら...死ねっ!!!!」

さっきよりも力強く振り下ろされる。