自分の恋より、他人の恋




時雨さんが連れてきたのはサンシャインシティで、完全にデートスポットと呼ばれる場所だった。


デートと言うのは本気だったらしい。




「行くよ」


「あっ…」




手は繋いだままなんですか?そう問う間もなく、時雨さんは中へと入ってしまいエレベーターで上へ上へ登っていく。



もういつまで手は繋ぐんだろうとかいいや。


時雨さんが繋ぎたいなら別につないだままでいい、私も嫌とは思ってないし。



それに観察に夢中になりすぎて迷子にでもなったら大変だしね。




「私、水族館なんて久しぶりです」