自分の恋より、他人の恋




それらを見事着こなしてまっすぐ歩く姿はまるでランウェイを歩いているようで、私の目の前に来るまでファッションショーが行われていたのかと錯覚した。




「どうもお待たせしました。私服カッコいいですね」


「はぁ……」




素直にカッコいいと見たままを言っただけなのに時雨さんに溜息を吐かれた。


なんで溜め息?もしかしてカッコいいって言われるの嫌だった?




「なんで先に言うわけ」


「え、何を…」



何やらちょっと違うようで。




「…俺が先に、可愛いって言いたかった」