自分の恋より、他人の恋




「はーい気を付けてね。報告待ってるよ」


「?」




何の報告かは分からないけどとりあえず帰ってきたら報告しろとの事なので、今日観察してくる人たちの報告でもしようと思った。



じゃあねと手を振って家を出たら早足で待ち合わせ場所である駅へと向かった。



早足で向かったものの、運悪く全部信号はかかるわ、おばぁさんが重い荷物を1人できつそうに持っていたから手伝ってあげたりしていたら時間ギリギリになってしまい、ダッシュするしかなかった。



息を切らしながらついた駅にはそれはもう一発で見つけてしまうほどのシルバーアッシュの髪をワックスでセットしたイケメンが立っていて、周りの女の子も女の人も頬をほんのり赤く染めて見つめている。




彼はというとそれだけの視線を浴びながらも平然と腕時計を見たり、ケータイをチラチラ確認していていつも通りだ。




「さすがですね」