「伊佐敷さんは悪くないですよ。私が止めるよう頼んだので」




誰もいなくなった教室には今私たち2人しかいない。


これで存分に話すことができる。


時雨さんの腕を掴んだまま窓際の席へと移動した。


廊下側に座ると声が反響してしまうため会話が他の人に聞こえてしまう可能性がある、それを避けるために窓際の席を選んだ。



向かい合う形で座ったはいいけど、肝心の時雨さんが目を合わせてくれない為すごく話しづらくて私はどうしようかと困っているところだ。




「時雨さん」


「何」


「こっちを向いてください」


「向かなくても会話はできるでしょ」