それだけは本当勘弁してほしい。


彼の口から手を離してジッと睨みつければ「なんだよ」と睨み返された。




「次、大きな声出そうとしてみてください。その口二度と開かないように塞ぎますからね」




言っておくけど私は本気だ。


彼が大きな声を出そうもんなら、何としてでもそれを防がなければいけない。




「おーおー、ならやってみてよ。ほら、早くしないと大きい声出すけど?」



そんな私に煽り返してくる彼。
あーもう、イライラする。


せっかく隣のお2人を観察しようとしたのに後ろにいる時雨さんが小声ながらも五月蝿くて集中できない。



だから私は黙らせることにしたんだ。