自分の恋より、他人の恋




心臓に悪いなんて言うから焦ってたら「小夜が可愛すぎてドキドキする」なんて言われ、私の方がドキドキした。




「やっぱり敬語外すのはゆっくりでいい」


「そう、ですね」




バクバク五月蝿い胸を抑えて返事をしてふぅっと息を吐いた。


ゆっくり治まりつつある鼓動を確認して、ウトウトし始めた翔和さんのシルバーアッシュを優しく撫でる。




「私、翔和さんのこの髪色もこうして撫でるのも好きなんです」


「ん…俺も、撫でられるの気持ちよくて好き」


「それとですね…翔和さんが寝てる時、2回名前で呼んだことがあるんです」


「……」


「今、こうして呼べるなんて幸せ…なの」