自分の恋より、他人の恋




今までの私って前髪も下りきっていて、もはや貞子にしか見えなかったし、制服だって可愛く着崩してなくてまさに飾られたお手本マネキンのような着こなし方で雑草地味女だったのに…その時の私が好きだったってこと?




いやいや、それだと時雨さんがすっごい変わり者になる。




「勘違いするなよ。地味な格好してた方が好きなわけじゃないから」


「あ、ですよね」




良かった変わり者なんかじゃなくて。




「格好とかじゃなくて小夜だから好きになったんだ。それに、びしょ濡れになった小夜と保健室で会った時があんだろ?」


びしょ濡れ…ってあの時の。


「あぁ、ありましたね」




あの日は朝から本当災難な日だった。