「へ?…え、え?」
まさか返事が返ってくると思っていなくて、それに起きていたなんて気づかなかくてプチパニックを起こした私を下から楽しそうに見つめる彼。
その視線にさらに困る私。
彼は、たまに意地悪だ。
「ぜ、全部って…どこですか」
「言ったら沢山あるけど、一番は可愛いところ」
「かわっ…?!」
「それから誰も知らない、俺しか知らない小夜の一面」
「時雨さんしか知らない、私の一面…?」
なんだそれは、私にそんな一面あったっけ?
首を傾げて考えていると、急に起き上った時雨さんが顔を近づけて前髪を上げられた。
「…っ」
その瞬間、五月蝿いくらいに心臓が跳ねて、速くなりだした。
ていうか、近すぎるっ…端整な顔が近すぎて困る!
「今の素顔知ってるの、家族と俺くらいでしょ?」
自信満々に言う彼に平静を装って「自信ありまくりですね」と言えば、
「自信しかない」
そう言い返された。