「じゃあここで家に入るの確認するから」




どうしても私が家にしっかり入るとこまで確認しないと気が済まないみたいで、分かったと承諾してから私は数メートル先の家に向かいさっと敷地内に入って歩いてきた方向を確認すると___本当にまだいた。




バイバイ、と手を振れば彼も振り返してくれてそれが何だか嬉しかった。



私が家に入らないと彼は返れないのでさっさと入って自室に向かうと、自室の窓から時雨さんの姿を確認することに成功。




彼はもう背を向けて駅に向かっている途中で、暗闇の中でゆらゆらと揺れるシルバーアッシュが見えなくなるまで見つめていた。