顔を上げて、もう薄明かりのマジックアワーに、きみはもういなかった。
まただよ、またまちがえた。
ブランコから立ち上がり、ぽろ、ぽろと涙が出る。
イッサ。言葉は残酷だね、傷つけてしまって、綺麗事ばかりを並べてしまうし、その本質を見抜こうともしないし、見て見ぬ振りをするし、軽率だし、安直だし、簡単だし容易だし憐れだ、醜いよ。
だからあなたと過ごす時間が大切だった。呼吸で交わる時間が、目で伝える会話が、足のつま先の歩幅が、その全部を物語っていただろう。
「イッサ、」
握ったものさえ砂みたいにこぼれ落ちて遠ざかる。
「イッサ、」
「モニカちゃん」
「言葉は、傷つけると思う?」



