星空とミルクティー



「ありがとう。汐がいなかったら俺、今ここにいないし、この先もきっと生きていけない」



 何度となく言われた「ありがとう」が重く響く。

 本来なら、お礼を言うのはこちらのほうだ。
真雪を好きになったおかげで、あたしにも生きる意味ができた。

 あのまま一人だったら、間違いなく部屋中をもので埋め尽くして、その中で溺れて死んでいた。

 助けられたのはあたしも同じだ。

 そういう言葉を全部飲み込む。



「……情けねえな。しょうがねーから一生面倒見てやるよ」

「本当に男らしいね」

「お前がか弱いんだから、ちょうどいいじゃん」



 あたしの言葉に真雪が目を細めた。

 無言で繋いでいた手を強く握り返して歩く。
すぐにいつものコンビニが見えてくる。

 雪が降り積もった冬の夜道は、好きだ。満月の夜は特に。
いつもより明るいから、寂しくない。
このままどこまでも歩いていける気がした。






(終)