最後の悪夢


長時間暗いところにいたおかげで暗闇に目が慣れていた。ライトがなくてもなんとか進めそうだった。

ゆっくりとだけど、足を進めて確実に前に進む。トイレから出る前には耳を済ませて、足音が聞こえないか確認をする。



たぶん、憶測だけれど。


あの黒の鬼は、分かりやすい行動をする。
静かに音をたてずに歩くこともない。走るけど待ち伏せや隠れたりはしない。

そんなことをされていたら今頃私は死んでいただろう。


つまり頭は使わない。
今回は正真正銘の体力勝負。


頭を使わないのなら、大丈夫。こちらが頭を使えばいいんだ。