私はトイレの個室に鍵をかけて籠り、スマホを握って何度も電源をつけたり消したりして、入川くんの連絡を待っていた。 トイレのなかは電気をつけていなかったから、小窓から溢れた外の光が唯一の明かりだった。 だんだんだんだん、明かりが消え、暗くなっていく視界。 いつ死ぬかわからない恐怖に怯え、連絡が来る期待に溺れ、強く強く私は、ひとりでただひたすら祈り続けていた。 けれどそれからいくら時間が経っても、入川くんからの連絡が来ることは、一度もなかった。