震える両手に握りしめた、私の希望。 入川くんが私を守ってくれるなんて、私は恵まれている。嬉しい、本当に………。 窓からは日が落ちかけて、赤く染まった空が見えた。これ、七時くらいになったらどれぐらい暗くなってしまうんだろう。 真っ暗なのに逃げられるんだろうか。それに、まだ夕食もとっていない。 とりあえず、入川くんとまた合流してから決めよう。夜が明けるまでどこでどうやり過ごすとか、決めなきゃいけないし。 期待と恐怖で心がぐちゃぐちゃだ。今、鬼が来たら私、どうすることもできないだろうな。