なんだろう? なにが違うんだろう。
三年生の人ってみんな上手だ。
私には習字をやっていた経験が少ししかない。河井先輩はずっと、だって。
私、もっとやっていたら、こんなに上手くかけたんだろうか。
もちろん尊敬もするし憧れもするけれど、どうしようもない悔しさと劣等感に膝をつくことがあった。
そう、いつも、私は自分のことを人と比べてばかり。
「みさきちゃん、どうしたの?」
「いや、別に、なんでもないです。先輩、やっぱり上手だなあ、って」
「え。やだなあ、照れちゃう」
素直に笑って照れたり、ちょっとのことで喜んだり、そういうことって苦手だ。



