最後の悪夢




海が見える場所。あの日倒れた私を運んで、一緒にいてくれた。

私達、あの時は好き同士だったね。確かに気持ちがお揃いだったね。
大好きだよ、幸せだよ、思い出したよ。言いたいことが涙に溶けて流れていく。嗚咽を殺して涙を拭っていたら、


「こっち向いて」


凛上が私の肩に手をかけて、自分の方に優しく引き寄せた。
触れて火照る体。私は涙を飲み込みながら、ぐしゃぐしゃの顔をして凛上を見上げた。