空が青かったんだ。
今日みたいな日だった。風鈴の音が、どこからともなく聞こえてくる。
それだけじゃない。薄暗い学校を走った。
赤いカーペット。大きなシャンデリアがあった気がする。波の音もしていた。
『頼まれたからにはさ、そばに置いとけるように努力するよ』
頼んだね。
私をひとりぼっちにしないでって。
わがままだったね。
『足が動くなら、担いで走るかも』
もういいよ。走らないでいいよ。
私のために無理しないで。
『いや、捜すでしょ、普通は』
こんな私でも捜してくれるんだね。
私が君の方を見ていなくても。



