全部知らなかった。私は別の世界にでも行っていたのかもしれない。長い夢でも見ていたのかもしれない。不安だった。でもそんなこと言えなかった。
私達はいつからか両想いの関係だった。
凛上が「告白は受験の後にしよう」と言った時、確かに何か嫌な予感がしていた。あの時言いたかったことがあったはずだ。
でも今はもう分からない。
どんどん距離が縮まっていって、反比例して私の気持ちは薄れていくんだ。
自分が本当に凛上のことが好きなのか分からなくなっていく。でも告白は断れない。
約束したんだ。私達は付き合うって。
「無理に付き合わせたんだ。そこまで辛いなら、いいんだ。俺が告白したからって、絶対に付き合わないといけないわけでもない」



