「私達、どうやって出会ったんだっけ?」
でも私だけなんだよね?
今日一緒にいて分かった。凛上は私よりずっと楽しそうで、私のこと本当に好きでいてくれてる。
私だけ取り残されたように感じていた。私は、彼女としてふさわしくないって思ってた。私のあなたへの想いが足りないって分かってた。
電車が後方を過ぎ去る。空気を切り裂くような轟が、私達を包み込む。世界が歪む。視界が壊れる。目頭が熱い。全てから自分を切り離すように両手で顔を覆い、呟く。
「どうして私、凛上くんのこと好きなんだっけ」
少し前まで大切なものがあったんだ。それはもう今は手元にないんだろう。
それからだんだん私は変になっていった。
私ね、どこで置いてきぼりにされたんだろう、って、ずっと考えていたよ。



