最後の悪夢


「告白、してくれて、嬉しかったよ。でも、私凛上くんのことよく知らないし、調子も合わない気がしてきた。居心地が悪いのかも......ごめん、こういうこと言うのもどうかって話なんだけど」


しどろもどろになりながらも言う。
凛上は、少し戸惑っているみたいだった。


「いや、こっちこそ。ごめん」と言って頭をかくと、ジーンズの後ろのポケットから取り出した黒の財布を、再びしまって。二人の間に妙な空気が流れた。電車が通過します、というアナウンスが改札の奥から聞こえてきた。

こういう空気......嫌なんだよね、なにを言っていいか、分からなくなる。

でも、こうなるならいっそ、聞きたいことは全部聞いてしまえばいいんじゃないだろうか。


「変なこと聞いていい?」

「うん」


こうやって二人でいるうちに流れていく時間が、無駄なように感じてしまうの。
別にずっと友達で良かったんじゃないかって、思ってしまうの。