「あなた達の繁華街やホテルでの行動は、ある程度把握しています。と言われれば、心当たりがないわけではないでしょう? この6人の中で、唯一あなただけが非行に走った」
非行、という言葉に息が止まった。
喉の奥が詰まったみたいだった。
「あなた、鬼を殺しましたね?」
圧で潰して制するような目。もう以前の先輩ではない。肩までの長さの髪は背中の辺りまで伸び、軍服のような深い緑の制服に身を包み、鋭い目つきで凛上を睨み、吐き捨てるような口調。別人だった。
けれど私は知っていたから。
ホテルでの出来事。ある程度なら私や......シオンのことは知らないのかも。
「違います、それ......階段でコップ投げて落としたときは、私とシオンさ......友達を守るために、殺したんですよ! 正当防衛です」
自分の声が震えているのが分かった。はっきりと喋ったつもりだったけど、思っていたより大きな声は出なかった。言いたいことがはっきりと言えない。言っていることが滅茶苦茶な気がする。
怖いのか。どうして......こんなところで怯える必要はないだろう? 今一番怖がっているのは凛上だよ。私じゃない。



