ワガママな子供みたいに大きな声で叫んだ。
むしゃくしゃして苦しい。頭を抱えて髪をぐしゃぐしゃにして、鼻をすする。大きく震える獣みたいな息を吐く。鼻の奥がツンと痛む。目頭が熱い。
見られたくない。なにも言われたくない。
可哀想だと、心配されたくない。
惨めな気持ちになる。
俺は、少し前までは可哀想なんかじゃなかったのに。
一滴でも、一粒でも足りない。水も氷も効かない。
頭を冷やすためには殴るぐらいの衝撃がいい。
それこそ暴言だっていい。甘ったれるなとカツをいれてくれてもいい。ビンタでもいい。
俺と女じゃ差がつきすぎている。下手に甘くされたら苛立って手を出してしまうかもしれない。殺してしまいそう。
旭、相手に。



