アスファルトの上を歩く。
からっと空気が乾いていた。喉が乾いたかもしれない。海の水一滴残らずを飲み干したらどうなるだろう、なんて考えていた。
堤防を下りて砂浜を踏む。
あのホテルの赤いカーペットより深くまで足が沈む。そのまま体のバランスごと持っていかれそうだった。
旭は俺より前を歩いていた。
さらさらと風に靡く髪の毛。きらきらと太陽の光を反射して揺れる波。
どこを見ても眩しい。でも宝石があちこちにあるみたい。目にいれるとわくわくした。
俺は、ざくざくと砂を踏み分けて進んでいった。
海はすぐそこにあった。
砂浜にいる人はまばらだった。



