最後の悪夢


「俺旭のこと好きだよ」



にやけながら旭に伝えた。


旭は困ったように固まった。

視線が揺れる。その長い髪の毛が、外から流れ込んできた風に揺られてさらさらと靡いた。

窓の外には抜けるような青空が広がっていた。


応えてくれなんて頼んでない。
別に俺は、俺だけがその気でいても辛くはなかっただろうから。それでも、


「わたしも好き」



旭は弾かれるようにそう言った。俺は俺のなかの心地よい気持ちが広がっていくのを感じた。

少し間があった。それから旭は続けた。



「お揃いだね」




うん、そうだ、こんなにも。

はにかむ彼女がこんなにも、誰よりも愛おしい。