最後の悪夢


旭の白い布団は綺麗に畳まれて部屋の隅に置いてあった。

眩しいくらいの日の光が部屋の中に差していた。鮮やかな緑の畳の上、柔らかに微笑む旭。


「でも私だけ早く起きちゃったから、待たせてしまってるんだけど」



心が溶けていく。
日だまりみたい。俺、どうか、してるかな。こんなに、……幸せ。


「元気になった」

「え?」


朝起きてそこにいて、ただ笑いかけてくれるだけで満たされるんだよ。
俺はにやけるのを隠しきれなかった。


「え? え、どうしたの。どうして笑ってるの」



旭まで笑っていた。
俺は旭の目を見た。


「好き」


真っ直ぐに見た。
もうずっと前から言いたくて仕方がなかった。