最後の悪夢


「全然、むしろ、感謝してる」



顔が熱い。駄目だ。なにを言われても嬉しくなってしまう。

旭の顔が見れない。目線を逸らして起き上がる。「今何時?」と問いかけて話題をそらしたつもりだった。


「二時くらい」

「え!?」



思わず声を出して素で驚いた。旭がこちらに見せてくれた腕時計を見て確かに気づいた。
寝起きなのに頭が冴えていた。宿主のことを思い出す。



「うわ……昼ご飯……どうしよ」

「あ、昼ごはんね、二人分くらいすぐに作れます、って言ってた。電話で知らせてくれたら運んでくれるって」


カーテンも開けてあったし換気もしてあった。部屋の中を流れる空気が綺麗で、息をすると気持ちがいい。