最後の悪夢







ガサガサと後ろから何か、物を漁るような音がする。徐々に意識が覚醒してきた。瞼の裏が温かくて明るい。

朝……朝か。


ゆっくり目を開けば強烈な日の光に顔をしかめた。刺激が強くて避けようと、窓とは反対方向にごろりと転がる。

目線の先に現れたのは、真っ白なカッターシャツに黒のプリーツスカート姿の、セミロングの少女。


「おはよう」



その桃色の血色のいい、柔らかそうな唇から紡がれた甘い声が、心地よい。長い睫毛の下の綺麗な黒の、宝石みたいな瞳。見つめられていた。


理解した途端に眠気が一瞬で覚めた。
旭。旭だった。