「後ろの子は、彼女さんですか?」
「いや……。友達です」
「どうして一緒に?」
聞かれて、戸惑った。
どうして? 理由がいるのか。
端から見たらカップル。男女の友情? いや、俺はちゃんと旭に惚れているよ。それってつまり、俺が、
「俺が。俺の、思うように。しようと」
そう呟いて、運転手の方を見たら、驚いたような顔をしていた。
自分の言葉の意味を理解するや否やすぐに顔が熱くなってきて、それを冷ますように冷たい手のひらを額に当ててから、前髪をかき上げた。
「変な意味はないですよ? あの。疲れて倒れてたので、休ませてあげないといけないから」
裏返った声になりながら弁解する。



