最後の悪夢

ふう、と息を吐いて目元を右手で覆う。
そしたらなにを思ったのか、運転手の彼が、


「知り合いに宿やってる人がいるんだけど、そこに連絡入れてみましょうか?」


そんな提案をしてくれた。

あまりにもタイミングが良すぎて、うれしいはうれしかったけど疑う気持ちもあって、素直にガッツポーズはできなかった。

それでも俺は彼の言葉を信じずにはいられなかった。



「いいんですか、できればお願いしたいんですが」

「あぁ。いいですよいいですよ。学生さんだね? 二人でよかった?」

「はい……すみません、お手数お掛けします」



彼が電話をかけてくれている間に、先に車の中に入らせた旭の様子を確認する。大丈夫そう。眠っている。