最後の悪夢


俺は追いかけていたよ。
でも別に、めちゃくちゃ好きだから、絶対に振り向いてほしいとか、そういう気持ちはなかった。








ホテルの従業員にタクシーを呼んでもらった。俺が旭を背中におぶっているのを見て、大丈夫ですか、とフロントの女性に声をかけられる。



あんたたちに何がわかる?



俺らがおかしいのはしっているよ。


まだ何故かは分からないけど、
“俺らに見えているものが普通の人には見えていない”ことも。

それでもあんたらは俺らが、ホテルにたどり着いた時に笑ったんだ。何に苦労して振り回されているか、何度も恐怖して絶望しているか。知らないで笑った。