「そんな顔してた!?」
一人で勝手に恥ずかしくなってパニックになる私を、凛上はくすくすと笑って「冗談冗談」と受け流す。
どういうつもりなんだろう……。
「そっちはこれからどうするの?」
「俺もどこか探すよ、休めるところ」
目的は完全に一致しているのに、私は勇気が出なかった。
自分は完全に凛上に惚れているというのに、それを認めて行動に移すのには苦戦するのだ。面倒くさいなあ、もう。
「だったら一緒に探そう」って言えば済む話なのに。凛上も、そこまでは言わなくて、私達の間に沈黙が生まれた。
むず痒い。なんなんだこれは。



