言いたいことが言えないまま、嗚咽に溶けて消えていく。ちらりと視界に映ったシオンの手が、顔から外れて布団のシーツの上に落ちていた。
涙でぼやけて、はっきりとは見えなかったけど、肌は蝋のように白く、生気のない色をしていた。薄暗い部屋の空気に滲むようだった。
死んでしまったのかもしれない、と思った。そしたらより一層、今度は視界を埋め尽くして大きく揺らすほどの涙が溢れてきた。
今死にたくて仕方がないよ。
もう消えてしまいたい。
沢山沢山疲れたの。
死んでしまった人に会いたい。
謝りたい。一緒に笑ってほしい。遠くにいないでそばにいてほしい。
辛いの。苦しいの。命が大事だとか私が生きてる意味とかもうよく分からないけど、ちょっと前までそこにいた誰かがいないって思うと、寂しくて死んでしまいたくなる。
.....
ああ、でも。
生きててくれるだけでいいなんて、凛上は、なんて素敵なことを言ってくれる人なんだろう。



