最後の悪夢


もう死んじゃうかもしれない。

嫌だ。どうしよう、どうしよう、どうしよう。死ぬ? 本当に? シオンが?


その場に立っていられないほど、体がぐらりと揺れた。数歩たたらを踏んで、凛上が、私の両腕を掴んだ。

制服の上からだったからその温かさは感じられなかったけど。

倒れそうだった体も乱れかけていた心も、その衝撃がただしてくれたと思う。


私は、わがままだ。



「まだ、死ぬって、決めたくない。決めたらすぐに死んじゃいそう」

「うん」



なるべく、優等生のように演じてきた。

他人の前ではにこにこわらって、自分でもよくやってるなって思ってた。自分自身に感心していた。



でも全然、優等生なんかじゃなかったよ。