「弱ってるところは誰だって見られたくない」
私は、たぶん、分かってるよ。
だってシオンもさっきそう言ってた。
なのになんで、こんなに頭の中がぐちゃぐちゃなんだろう。ドロドロして、気持ち悪い。
「私、まだ、よくわかんない」
血で濡れたタオルを、そおっと抱き締めた。冷たく、黒くなっていく。だんだん風化していく。
この気持ちは?
この苦しみは忘れてしまう?
ぐわんぐわんと頭痛がした。
天地が流転しそう。目が回る。
私達の会話に入らず、顔を手で覆ったままのシオン。胸の辺りが膨らみ、沈んでいく。息をしている。それを見て安心する。
でもそれもいつ止まるだろう? 分からない。



