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シオンとの再会。涙がより一層溢れたのは、その状況があまりにも酷いものだったからだ。
階段で鬼を殺した後、ぼろぼろのシオンの姿に言葉を失った私達を見て、シオンは、お腹をおさえながら笑った。
見れば複数箇所刺されたような痕があり、苦痛で顔が歪んでいた。
『今からは一緒に行こ』
少し躊躇ってから手をとったシオンが呟く。
『気持ち悪いことしないでよ。凛上らしくない』
嫌そうな顔だった。
私はシオンに嫉妬なんてしなかった。なんならもっと助けを求めて凛上を頼ってほしかった。私には、なにもできないと思ったから。



