最後の悪夢


時折目眩がしたり体がふらつくのも、もうしばらく眠っていないから体が限界なのかもしれない。

いつから寝てないんだっけ、私。
まあ、いいや。徹夜なら勉強で慣れているし。

エレベーターの扉が開く。

中には誰もいなかった。
鬼は本当に、もういないのだろう。あれが最後の鬼だったのだろうか?

みんな生徒は必死だったんだ。生きるために鬼を殺して。

でも、そんな、おぞましいことができるのか。鬼も一応人だ。人を殺す感覚を私はまだ知らない。


凛上は、階段の時に鬼を殺した。シオンもだ。でも、それでも私は彼らのことを、嫌いになったりはしない。

だって私のこと守ってくれたんだよ。生き残るためには仕方ないことだって、今ならちゃんと分かるんだ。


そう、そうだよ。

守ってくれたのは凛上だけじゃなかったんだ。