3時30分。
残り30分、私達はホテルの通路を一通り巡った。そうしてあることに気づいた。
「もう鬼いないんじゃないの」
凛上も気づいたようだった。
鬼の気配が全く感じられないのである。ゲームをしているわけでもなさそう。
ゲームをしている時はどこかからよく悲鳴が聞こえてきていた。女子も男子も叫んでいた。
なるべく、なるべく自分を騙して平気だと言い聞かせてきた。
それでも狂いそうになった。
頭がおかしくなりそうだった。
本当の地獄。
繁華街の時よりも恐ろしい。
精神的にかなり、私は不安定だった。
私も一人だったら思いきり叫んでいたかも。そして、



