名木田は泣いていた。
綺麗な涙だった。私も泣くのを我慢していたけど、そのうち涙腺は崩壊した。
「ごめんなさい、酷いこと言って」と涙声で言えば、名木田は「こちらこそごめん」と謝ってくれた。
ごめんね。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
凛上がフロントに、部屋を閉めるための鍵を取りに行ってくることになった。
「手に入れられるかは分からないけど、なんとかする」、と凛上は言った。
このホテルの部屋は基本、内側から手動で鍵がかけられるようになってはいるが、外から一方的にかけられたら内側からは開けられないらしい。
シオンが教えてくれた。
凛上は五分も経たないうちに帰ってきた。その手には銀色の鍵が握られていた。



