「私は友達じゃない。だからなにが一番いいのかは分からない。でも名木田くんにその覚悟があるなら、助けるのもいいと思う。でも私は無理だと思う」



泣きそうになった。

友達じゃない。でもさっきまでどこかにいて私達のことを助けてくれていた。

無理だよ、なんか心では思っていても絶対言えないはずだった。

だってそういうの、心が冷たいみたいじゃん。名木田が私に向けるのは当然、幻滅の眼差し。

でも名木田だって分かっているんじゃないの?



「俺は、生き残りたいと思ってるよ」


私だってそう思っている。
でも私が同じ状況なら、本当に、見殺しにするのかな?



「でもイツキだってそうなんだよな」



名木田みたいな綺麗な心の持ち主でいられるかな。私は、無理かもしれない。

死ぬのが怖いよ。