今まで我慢して押さえていたものが、壊れていく音がする。
私は名木田に言う。
「悪いことと良いことがある」
「なに」
私はどうなったっていいんだよ。
この場にいなければこんなに辛いことを考えることすらなかったんだから。
私みたいな人って、最低だよ。
私は名木田に提案する。
「鍵を閉めたら鬼が一人消える。逃げやすくなる。今後私達が生き残る可能性が上がる。これが良いこと。悪いことは、その代わりに犠牲が出るってこと」
「自分をとるか友達をとるかってこと?」
「そう」
凛上もシオンもなにも言わなかった。
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